乾燥肌の人にとって、冬はともてかゆくてつらい季節です。
かゆさのあまりの睡眠不足になったり、あるいは睡眠中、無意識にかきむしり、お肌を傷つけてしまったり・・・。
かゆみ止めを全身に塗るわけにもいかないし、どうしたらいいかわからない!
そんな方に、乾燥によるかゆみ対策や頭皮への対策、食生活との関係性などをご紹介していきます。
【もくじ】
乾燥によるかゆみ対策でできること!
乾燥によるかゆみ対策の基本は、肌を乾燥させない事です。
健康な皮膚表面(皮脂膜)のph値はph4.5~6.0の弱酸性。
「お肌に優しい弱酸性」とは洗浄剤のCMの言葉。
でも、汚れを綺麗に落とすにはアルカリ性の力が必須なのです。
肌についている皮脂や汚れは酸性。
弱酸性の洗浄剤では同じ酸性の皮脂や汚れを洗浄できません。
酸性の成分だけでは泡立ちが悪く、添加物として「発泡剤」が加えられます。
また洗浄力を補う化学的に合成した「合成界面活性剤」も加えられますが、次のような悪影響があるんですよ。
- タンパク質を破壊する毒性
- 皮膚のバリア機能を破り体内に侵入する浸透性
- 通常のすすぎでは落ちない、高い残留性
浸透性が強く、汚れを落とす高い力が有る合成界面活性剤ですが、弱い肌は、弱アルカリ性の石鹸で洗い、弱酸性の化粧水で水分補給を行うといった方法が良いでしょう。
洗い方にも注意が必要。
ナイロンタオルは厳禁で、手のひらで、また、手の届かない所は木綿やシルクのタオルで洗いましょう。
風呂上がりにはすぐにその場でつけたい保湿ローションとクリーム。
シソの葉成分を含むローションが保湿効果が高いと言われています。
しかし、乾燥肌が進んでしまっていると、お肌はとても敏感になっています。
保湿ローションやクリームは、できるだけ低刺激のものを選ぶようにするといいでしょう。
例えば、アトピー肌専用に作られた保湿ローションはかなり低刺激ですよ。みんなの肌潤ろーしょん
頭皮の乾燥対策 かゆみはどう治す?
頭皮の乾燥原因は、皮脂や水分の減少からの保湿力の低下と、頭皮の新陳代謝の悪化で潤いが無くなるからです。
乾燥とかゆみを軽減するには、洗髪に注意が必要です。
シャンプー剤の選択も大切で、合成界面活性剤はNGです。
また、かゆみやフケの原因のほとんどが「すすぎ不足」と言われています。
ふけに悩んでいた人が試したところ、効果があったのが薬用石けん(石けんシャンプーではなく)でした。
- 洗う前に、ぬるま湯のシャワーで2分ほど、皮膚を爪で傷つけないように頭皮と髪を洗います。
- 次に薬用石けんを手の中でよく泡立て、こすりすぎないように洗います。
- すすぎはシャワーで行います。(少なくとも3~4分間を目安に)
お湯を頭皮にあて、石けんが頭皮に残らないようによく洗い流します。
※すすぐお湯の温度は体を洗う時と同様、低めにした方が良いでしょう。
仕上げのリンスは洗面器にためた湯にスプーン1杯のお酢を加えたものがお勧めです。
お酢には細菌の繁殖を抑える効果や保湿力があると言われています。
肌の乾燥によるかゆみで食べ物は関係あるの?
私たちは、食べたものから栄養を摂って、カラダを作っています。
その栄養が不足すると、保湿成分がきちんと作られずに乾燥肌になってしまうことがあります。
【肌に必要な栄養素の働き】
- たんぱく質
不足すると肌のターンオーバーが乱れます。
細胞間脂質や天然保湿因子は、角質層のターンオーバーの過程で生成されるので、不足すると肌の水分保持力は低下してしまいます。
また、不足するとビタミンEを体内で運ぶ事ができなくなってしまいます。
※肉類、魚介類、卵、大豆など - 必須脂肪酸
肌の水分保持力の80%を担う細胞間脂質の材料でもあるので、不足すると、肌の水分保持力は低下してしまいます。
脂肪酸のうち、オメガ3系脂肪酸系を積極的に摂ると良いと言われています。
※シソ油(エゴマ油)、亜麻仁油、魚介類など - 亜鉛
細胞分裂に深く関与していて、不足すると皮膚炎や湿疹などを引き起こしやすくなると言われています。
※牡蠣、牛肉、レバー、卵など - ビタミンA
皮膚や粘膜を正常な状態に保ち、角質層の天然保湿因子の生成を促します。
※緑黄色野菜、わかめ、うなぎ、レバー、バターなど - ビタミンB
肌のターンオーバーを正常に保ち、特にビタミンB2とB6が関わっています。
※卵、はちみつなど - ビタミンE
肌の血行を促進し、新陳代謝を活発にします。
※アーモンドなどのナッツ類、魚介類、アボガドなど - ビタミンC
コラーゲンの生成を促進しています。
※果物、パセリ、、ブロッコリー、緑黄色野菜など
健康な肌であれば乾燥によるかゆみは防げます。
偏ること無く賢く食べて必要な栄養素をしっかり吸収し、健康な肌になりましょう。
まとめ
肌は、もともと自然に弱酸性を維持して雑菌などから皮膚を守り、健康を保つ自然治癒力を持っています。
ともすると無菌状態へのこだわり、低刺激推奨と、過剰な宣伝文句に惑わされがち。
体の免疫力も同じで、あまりにも菌や刺激から遠ざかっては、私たちに元々備わっているバリア機能が衰えますから、賢く選びたいものですね。