インフルエンザの流行時期になると、心配なのは家族間での感染ですよね。
赤ちゃんがいるご家庭では、特に敏感になるのではないでしょうか。
そこで疑問になるのは、赤ちゃんへのインフルエンザの予防接種の時期は生後いつから可能なのかということ。
そして、効果や副作用に関して、知っておきたい事をまとめましたのでご紹介しますね。
【もくじ】
インフルエンザ予防接種で赤ちゃんへの時期はいつ?
赤ちゃんへのインフルエンザ予防接種の接種時期はいつがよいのでしょうか?
インフルエンザの予防接種は、任意接種で、何歳でも接種できることになっていますが、日本小児科学会は1歳以上での接種を推奨しています。(米国では生後6か月以上)
赤ちゃんは、胎盤を通じて「免疫グロブリンG」という抗体を母親からもらい、この抗体と初乳に含まれている抗体とで、生後6ヶ月程度までは病原菌の感染から赤ちゃんを守っていますが、抵抗力は完全ではありません。
しかも、生後6か月前の赤ちゃんの免疫の力は十分でないため、予防接種をしても、抗体ができにくい可能性が高いと考えられています。
生後6か月を過ぎても1歳頃までは、抗体のでき方が年長児と比べるとやはり悪いため、接種しても罹患することが多いとも言われています。
お兄ちゃんやお姉ちゃんがいたり、赤ちゃん自身も集団生活をしていると感染の機会も多いので、担当医と相談の上、生後6カ月を過ぎてからの接種で感染予防を図るというのも一つの考え方になりますね。
※注射ではなく鼻に噴霧する生ワクチンというものがあるのですが、「フルミスト」はまだ日本では未承認で、適用対象年齢は2歳以上~49歳となっています。
インフルエンザ予防接種で赤ちゃんへの効果はあるの?
赤ちゃんは2回接種しないと十分な抗体値が得られないので、2回接種しましょう。
抗体値が、病気を阻止するのに十分なレベルに達するまでには、2回目の接種後、数週間かかります。
1回目接種1~2週後から抗体が上昇しはじめて、2回接種1ヶ月後にピークになり、3~4ヶ月後に低下しはじめ、抗体は接種後5ヶ月くらいまでしか持ちません。
10月半ばに接種すれば、3月半ばまで有効なので、インフルエンザシーズン中をカバーできることになりますね。
インフルエンザは早い人は11月からかかりはじめ、12~1月に流行する病気です。
最近は1~3月の流行が多いようです。
早めに接種しておくと、シーズン全体を通した免疫がつきます。
この時期はどうしても風邪をひきやすいことから、4週間後に2回目の接種をしようと予定していても、延期になったり、打ち損なったりすることもありえます。
1~4週間間隔であれば有効ですので、早めに2回目の接種を予定しておく方が、安心ですね。
インフルエンザ予防接種で赤ちゃんへの副作用は?
インフルエンザワクチンは副反応が少ないワクチンですが、お母さんとしては心配ですね。
副反応の症状と発症数です。
- 摂取した部分が赤くなる、腫れる、痛くなる・・・10人に1~2人くらいの程度
- 発熱、頭痛、寒気、体の倦怠感・・・10人に0.5~1人位の程度
- アナフィラキシーショック・・・まれ
- 接種後30分以内のジンマシンや呼吸困難、その他の症状・・・非常にまれ
また卵アレルギーがあるとインフルエンザワクチンは接種できないのでしょうか?
結論的には、軽度のアレルギーであれば基本的に接種可能です。
ただし、離乳食を経験していないような赤ちゃんでは、卵アレルギーの有無はまだわからず、接種を考える時は事前の医師との相談は必須ですね。
なぜ、卵アレルギーとインフルエンザワクチンが結びつけられ、心配されているのでしょうか。
それはワクチン製造に鶏卵を使っていて、微量の卵の成分がワクチンの中に残存するからです。
2010年アメリカ小児科学会雑誌に発表の「卵アレルギー患者へのインフルエンザワクチンの安全性」の報告では、卵アレルギー患者261名中、7名(2.7%)に、全身性の副反応を認めたとあります。
このことから、卵アレルギー患者にはやはりアレルギー反応が出てしまう可能性があるということですね。
まとめ
インフルエンザだけではなく、赤ちゃんは生後2カ月から、いろいろな予防接種を受けるようになります。
どの予防接種でも同じですが、接種後の赤ちゃんの様子を注意して観察しましょう。
何か変わった様子が見られる時には、すぐに医師に見せてください。
できれば平日、木曜日までに接種し、土日の救急対応を回避しましょう。